リコッコ家のホームデコール雑記帖

旅して巡って、ボーホー・ラスティックな家

騒ぎ前夜の騒動

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今日はブラックフライデーだ。感謝祭の翌日は、一大セール日となる。私の行動圏内で言えば、騒ぎと混雑っぷりはものすごいけれど、お得感はそれほどではないと感じている。前夜から行列ができている店もあるし、早朝の開店時を目がけて雪崩れ込むように客が詰めかけるのも見かけるが、目玉商品を掴めなければそうする甲斐はない。ブラックフライデー当日ほど安くはないものの、前日には少し価格が下がり始めているので、本当に欲しいものは最安値でなくてもそこで買ってしまうのが得策だから。

というわけで、前日も混んでいる。混雑は避けたい。ならばとさらにその前日に駆け込むようにして事前に注文していたものを受け取りに出かけた。注文の品は、ランプそして壁に飾る絵や写真。

混雑を避けているし、注文して届いているものを受け取るだけなのだから、事はすぐに済むはずだ。それがそうもいかないのが日本とは違うところで。日本のようにしっかりきっちりしている店もあるが、扱う商品の価格帯に関わらず当たり前のことが徹底されていない店もあり。わりとそれが多いと感じたりして。まぁそれはそれでところ変わればとなんとやらと流すべきことなのかもしれない。

受け取るものは、10商品だ。はいよ!っと大箱入りで渡されてもその場で商品番号と商品の状態をひとつずつ確認するつもりでいたが、それができない。どうしてか。なんとなんと「渡せるものは1点のみだ。」と、店員は言う。これには呆れ返って愕然とした。本社から発送のメールあり、店舗に到着のメールあり、そのうえ「今日取りに出向くよ。」と電話連絡も入れていたのにこれだからだ。

閉店まで、残すところ1時間。「倉庫内を総調べするにはあまりにも短い。」と、店員は私に泣きつく。そんなの知らないわ。どうしてこんなことになってるのよ。しかしこんな状況下では何を言っても無駄。「明日の午前中にまた出向いて来るから、その時までに10点すべてを用意しておいて。」と、怒りを抑えて告げるのがやっとだ。

翌日。開店と同時に行くことはできたが、仕事が遅いのはこんな場合にも想定内なので、12時を過ぎた頃に私は店に到着した。昨日話した店員2人の顔色が青く強張っている。なんだか変な雰囲気だ。不穏な空気を感じ取った顔つきを露わに店員に近づいていくと、脇からいかにも体躯の非常に宜しい(!)男が遮ぎるように出て来た。なんだなんだ、いったい何だって言うんだ。なんかこれ、私が摘まみ出されそうな予感がしないでもない。

店員の1人が開口一番、「2点がまだ見つかりません。」と。「まだ、って何よ?まだ、っていったいいつになったら見つかるの?、今も探し中なの?」と私は詰め寄った。すると、店員は男を指差して「彼はウェアハウス・ガイ(倉庫係り)」と外しまくった答えをしてくるではないか。おまけにウェアハウス・ガイは足を大きく開いて腰に手を当てた厳ついポーズを決めている。

何が何だか分からなくなったが、ここで怯むわけにはいかない。「それではウェアハウス・ガイに質問でぇ~す。まだ見つからない2点は、あなたが管理している倉庫内のどこに?」と満面の作り笑顔で言ってみた。ウェアハウス・ガイの自信満々の答えはこうだ。「無いんだから、無い。」と。そして店員2人も頷く。いや、そんなそんな、その答えはないでしょ。10点すべての商品代金は本社へ支払い済みなのだ。何としても踏ん張らねばならぬ。

「あのさぁ~ウェアハウス・ガイ、失礼ながらもしかしてもしかとの可能性を言わせてもらうが、私宛てに届いた注文品の箱を開封して店内に陳列してしまったのではないの?、そういう間違えがあるってこともあるんじゃない?」などと、まったく馬鹿らしい話を精一杯に続ける私だ。だが、この3人とこれ以上話を続けるのが嫌なので、自力でどうにかしようとした。

3人の向こう側にある箱に突進する。そして中を覗いて、まずは商品の点数を数える。あれっ、どうしたことか。この状況に痛手を受けて、目がおかしくなったかな。ゆっくり3度数え直してみたが、どうしても箱の中には7点しか見つけられない。となると、「まだ見つからないのは、3点よ。2点ではなくて、3点!!!」だ。そう宣言した私に、3人は怯む。3人は青褪めている。騙そうとしたのではなくて、本当に数え間違いをしていたようだ。これでは自力でどうにかする作戦が最も有効だと改めて確信した。

ならば、そのように突き進むのみ。開封されて店内に陳列されてしまった私の注文品がまだ売れて無くなっていないのを祈りながら。広い店内の陳列棚の隅から隅まで探しまくるしかないじゃないか。

「あっ、ぁぁぁあったー!」と1点目を探し当てた時には、突破口を見つけた嬉しさのあまり他の客の目を憚らずに絶叫した。そして、残りの2点も探せる自信が漲って来た。「ほら、あった。」、「ほぉらよっ、これが最後の1点だ。」ってなわけで宝探しは30分以内に終了。誰かに買われてなくてよかったー、と冷や汗が垂れる。

私が受け取りのサインをしている中、ちらっと3人の顔を見た。何を言われるかと戦々恐々としているようだ。ざっくり鋭く斬る嫌味を言おうかな。ちょっと脅そうかな。だが、何も言わないことにした。そうしたほうがきっと運が向く。